IELTS ( International
English Language Testing System ) は、イギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ等に正規留学したり(アカデミック・モジュール)、労働ビザや永住権を取得する(ジェネラル・モジュール)際に英語力を証明するために必要な試験です。それぞれ、Listening, Reading, Writing, Speakingの4セクションからなり、試験結果は0~9・0までのOverall Band Scoreで算出されます。
尚、イギリス政府は2014年より、このIELTSのみが、留学およびビザ申請のために提出できる唯一の英語スコアと決定しました。 また、新たに2015年4月からは、IELTS for UKVI (IELTS for UK Visas and Immigration)の試験を導入しました。
教育機関によって受験するIELTSの試験タイプが異なりますので、充分な注意が必要です。
解答用紙はマークシートでは無く、全問記述 / ハンドライティングによる手書きです。スピーキング試験もTOEFL iBT と異なり、試験官との1対1の対面試験です。
IELTSが試そうとしている能力は、題材が扱っている専門知識ではなく、根本的な英語力です。
よって、基本的には、暗記やテクニックだけで攻略できるテストではないと考えています。
スコアUPのための対策も非常に個人差があり、したがって、集団での授業も難しいと考えます。
問題を見てみると、専門用語を知らなくても、前後関係から全体を把握する英語の読解力さえあれば解ける様になっているはずです。
基本的な語学能力(英語でも日本語でも)をしっかりと身につけ、論理的思考法、考えをまとめる力、知らない単語を前後関係で類推できる力をつける学習をすれば、解くことができるでしょう。
それはまた、アングロサクソンの文化圏に入るにあたって、最低限その思考方法、習慣、コモンセンスを知っておいてくれと云わんばかりな問題が並びます。その意味では、日本で作られる試験との差を考えながら解くと非常に興味深く感じるかもしれません。
2008年には世界中でのIELTSの受験者数がついに100万人を超え、近年その数は270万人に達し、4技能英語試験のグローバルリーダーの地位を確立しています。アメリカでも現在では3000以上の教育機関でIELTSが入学選考に認められています。また、日本においても、現在は英検がIELTS運営を担当しており、国家公務員採用総合職試験や一部大学の入学試験に採用されています。
IELTSの存在感が海外はもちろんのこと、国内でもここまで増したことはまだ日本でIELTSがもっとずっとマイナーだった頃から教えている者としては嬉しい限りです。
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